連日の好天続きで残雪もみるみる少なくなり、姿見の池に旭岳が映るのももう少し。
風もなく気温もどんどん上がり暑くなりそうな縦走登山のスタートです。旭岳から間宮岳、中岳とお鉢を周り黒岳、層雲峡温泉口へ下りる12kmあまりのロングコースへ参加していただきました。
旭岳頂上からは360度の大パノラマが望め、キバナシャクナゲが満開 で迎えてくれました。
裏旭の斜面にはまだまだ雪渓が残っていますが下りには 以外と歩きやすく助けられます。
間宮岳への稜線に出るとミヤマキンバイやメアカンキンバイの中にエゾタカネスミレの真っ黄色な花と濃い緑の葉がかわいい姿を見せてくれます。
旭岳がもう後ろ遠くになり北鎮分岐ももう少し、ここまでくると黒岳がぐっと近くに感じられます。
北鎮分岐下の雪渓はこの暖気で雪面がやわらかくアイゼン無しで歩行できますが低温、雨などでは硬く締まりアイゼンが必要となります。
ポン黒岳からの登山道脇ではコマクサが咲き出し、その周りをウスバキチョウが飛び交っている光景が印象的でした。
第一花園、第二花園とも雪渓はかなり少ないとはいえ第一花園のトラバースでは気温の低い朝方は硬くなっているので慎重に歩行してください。
コマクサ平ではウスバキチョウ、アサヒヒョウモン、ダイセツタカネヒカゲが飛び交い、羽化真っ最中のウスバキチョウが離れた岩の陰で見られました。
4カ所ある雪渓で最大の第三雪渓、ステップが付いているのでアイゼンは無くても問題ありません。
赤岳から小泉岳・小泉平への広い風衝地のお花畑にはイワウメ、ミヤマキンバイ、エゾオヤマノエンドウ、タカネスミレ、チシマアマナ、エゾノハクサンイチゲ、ホソバウルップソウ、チョウノスケソウ、エゾタカネツメクサが見られました。特にホソバウルップソウは今が盛りと濃い紫色の穂状の花が目立っていました。
白雲岳頂上から残雪の縞模様を見せる旭岳(左奥)、後旭岳(左手前)、間宮岳から北海岳への稜線。
エサを探し求め時々土の中から何か口に運んでいました。きびしい大自然のなか、たくましく生きている様子がうかがえます。 バックは北鎮岳。
平年の7月上旬を思わせる黒岳の残雪模様です。雪渓が黒岳リフト7合目駅から頂上までつながっていた昨年とは大違いの姿です。
7合目から8合目には所々残っていますがステップをたどっていけば大丈夫です。九合目上部にもまだ残っています、急斜面ですので下りは慎重に不安な人は軽アイゼンの装着を勧めます。踏み抜きにも注意。
頂上までの道ばたにはお花も咲き出してきました。ショウジョウバカマ、エゾノイワハタザオ、ハクサンチドリ、キバナノコマノツメ、ジンヨウキスミレなど
頂上からポン黒にかけてのお花畑はイワウメが満開。北鎮岳の白鳥、千鳥の雪形も形が分かるくらいになってきました。
お花畑を乱舞するウスバキチョウがイワウメやミネズオウの花に止まっている姿があちこちで確認しました。
濃いピンク色の蕾をもたげて間もなく女王様が開花します。
黒岳石室周辺はまだ雪に覆われています。
6/16石室のオープンに向けてスタッフの方が準備に追われていました。いよいよ夏山シーズンの始まりです。
秋にはこのあたりからハウチワカエデ、ミズナラ、エゾヤマザクラなどが色づき紅葉狩りの観光客の目を楽しませてくれる落ち着いた佇まいの場所として知られています。また層雲峡温泉の源泉地でもあり20カ所以上の湧出口から各温泉宿へ送られています。
散策路入り口には立派な看板、みどころのポイントにも配置され、マップが置かれとても分かりやすく整備されていました。
カバのなかでも高級材として利用されるウダイカンバが多く見られます。
しばらくは平坦で歩きやすい路が続き苔むした岩とその上にも植生が見られ、道ばたにはニリンソウ、エンレイソウ、スミレ、ツツジなど山野草も数多く野鳥のさえずりが絶えず聞こえとても気持ちの良い時間を過ごすことができます。
お鉢平から流れ出る赤石川は長い時間をかけて柱状節理の岩に深い渓谷を作り上げました。間近に見られるこの景色には圧倒 されます。
高さ100m以上はある柱状節理の壁には針葉樹、広葉樹が張り付き秋には他で見られる紅葉とはひと味違う趣を感じられます。
高さ20m、二段に流れ落ちる様は水量の多いこの時期、近づくとみずしぶきがかかるほど迫力があります。ゆっくり歩いて片道30分ほどの道のりでした。
旭岳の残雪もあと僅か残すだけとなりました。姿見園地の散策路は全コースのうち半分は残雪がありますので長靴での歩行をおすすめします。(五合目駅レンタルあり)
今シーズン始めてのツアーガイドでしたが早い雪融けでお花も見られ、キタキツネ、エゾシマリス、エゾユキウサギ、ノゴマなどの動物との出会いもあり大満足のツアーでした。
暖かい岩の上でひなたぼっこでもしているのでしょうか。近づいても動こうとしません。
長靴、ストックで歩行の補助をしてくれるので以外と楽に歩行できます。視界が悪いときには雪道の杭とロープ を頼ってください。
神居尻山は標高1000mに満たない山ですが切れ落ちた尾根はそれ以上の迫力があり、斜面に咲く色とりどりの高山植物、山野草など見所の多い山です。
歩き出して間もなく船の碇に似た形のキバナイカリソウに出会い大きな葉の下で凜とした姿が印象的です。
急斜面の登山道脇には疲れを忘れさせてくれるお花たちが満開でした。
展望台からはまだ雪の残る暑寒の峰々。
頂上から望むピンネシリ。