2021.7.26 大雪山 黒岳
- 2021年07月26日
- 黒岳
大雪山倶楽部
〒078-8232 北海道旭川市
豊岡2条8丁目4番21号
TEL&FAX/0166-31-8228
携帯/080-5591-0809
代表/愛澤 美知雄
融雪が進まずチングルマ群落の開花遅れが心配されていましたが、ここ数日の好天で開花が一気に進み見ごたえのあるお花畑が今年も見られそうです。
途中の登山道脇にはエゾオヤマリンドウが咲き出しました。
旭岳の裾には幾筋かの沢が刻まれ大きなものでは沢巾20m、深さ10mほどの中に残雪がまだたっぷりと埋まっています。
ギンザンマシコ♂の色鮮やかな姿
旭岳北斜面に現れる白鳥の雪形。
雪渓に差し掛かると冷気が当たり一気に涼しくなります。
旭岳とチングルマ
大塚、小塚
姿見平から旭岳
チングルマ綿毛と旭岳
Aizawa
富良野岳は登山口の標高が高く森林限界からいきなり歩けるのも魅力。十勝岳とは対照的に山頂まで緑に覆われ高山植物が多く「花の百名山」にも名を連ねています。
三峰山山腹の低木帯に延びている登山道をトラバースしていくと高径草本植物が多く見られます。トカチフウロ、チシマノキンバイソウ、エゾウサギギク、ヨツバシオガマ、ハクセンナズナなど。
富良野岳稜線分岐の広場では多くの登山者でにぎわっていました。周りにはコマクサ、イワギキョウ、ウサギギクなど多くの高山植物が山頂まで見られる出発地点です。
急斜面に這うように張り付くお花たち。チングルマ、エゾコザクラ、エゾノハクサンイチゲ、ハクサンボウフウ、ハイオトギリなど
チングルマに混じって可愛いいコイワカガミが咲き出していました。10㎝ほどの背丈の茎の先には淡紅色の花冠が数個付きその先が細かく裂けちぢれた状態。根元の葉は厚く銅の鏡のような光沢があります。
十勝連峰で多く見られるウズラバハクサンチドリ
富良野岳では草地で見られるエゾツツジ。どこに咲いていても目立つお花です。
シロバナイワギキョウ、時々目にします。
エゾルリソウ、年々数が少なくなってきているようです。周りにはフタマタタンポポ、ミヤマオグルマなどが見られます。
二日連続の山旅でも大変元気な山ガール。
雲が下がり風が少し吹き始めてきました。計画通り三峰山を越え上富良野岳から十勝岳温泉へ降ります。
岩をチングルマが包み込みアースハンモックのような形に見えます。
狭い岩稜帯も難なく通過
自然にできたとは思えない沢地形に出来たお花畑。
立派な看板。周りは真っ白で何も見えず。
このコースもやはりチングルマが一番多く見られました。濃いガスの中でもチングルマの白はかなり遠くからでも確認でき、特に群落を作っている景色は歩いていても飽きることがありません。
Aizawa
今年1月、真冬の十勝岳安政火口スノーシュー体験から夏の大雪山へようこそ!
黒岳山頂からお花畑に目をやるとこのエゾツツジが真っ先に眼に入ってきます。厳しい生活環境のため身の丈10㎝ほどですが、花冠の径は4㎝と大きめ。北鎮岳の白鳥・千鳥の雪形もはっきり、今年は雪解けが遅くお鉢平にもかなりの残雪があります。
ポン黒岳へのお花畑もエゾツツジが満開
雲ノ平のお花畑はまだ始まったばかり、でも見ごたえ十分
アースハンモックの模様がはっきりと浮き出るくらいのチングルマ
紅葉期にはハイマツとウラジロナナカマド、ウラシマツツジの緑と赤のコントラストがとても美しいところです。
お鉢平展望台から北鎮岳分岐にかけてクモマユキノシタやチシマクモマグサなどユキノシタ科の可憐な姿が見られます。
北鎮岳分岐直下の雪渓は平年を上回る大きさです。下りは要注意です。背後に黒岳、烏帽子岳、赤岳、更に奥には北大雪の山並み
北鎮岳分岐から中岳分岐にかけての稜線にはエゾタカネスミレが満開
お鉢平を左に見ながら外輪山の稜線を間宮分岐へと道が続きます。表大雪の中でも特に雄大な山風景が満喫できます。奥には主峰旭岳
中岳分岐から間宮分岐にかけての登山道脇にはヨツバシオガマが多く見られます。厳しい環境のせいか背丈が低く、花冠の色が鮮やかな紅色をしている。
初めてお目にかかった、シロバナヨツバシオガマ
間宮分岐から裏旭に向かう稜線からのトムラウシ山
熊ヶ岳東斜面がまだ全面雪渓に覆われていました。
熊ヶ岳南斜面の沢筋にはチングルマが波のようにうねって群生し、見ごたえありでした。
なかに花冠の色が淡紅色をしているものも(梅沢 俊著「北海道の高山植物」によればタテヤマチングルマと記されていました)
眼前に現れた裏旭の大雪渓。いつもなら繋がっている中州への登山道がまだ雪道。
中州の右上には数人のパーティが確認
裏旭の大雪渓はかなり上まで残っていたので意外と楽だったようです。
山頂からの絶景、黒岳方向
トムラウシ山
旭岳と姿見の池。7月一杯は雪が残って旭岳の姿はまだ見られません。
姿見周遊コースでは花盛り、チングルマ、エゾノツガザクラ、エゾコザクラなどまだ楽しめます。
鏡池
Aizawa
登山口で準備をしているとそこにはもう高山植物が。
この日は開花しているものだけでも70種(スゲなどを除く)ほど、一回では紹介しきれないのが残念!
Nishimoto
無風、外気温15℃、視界中程度ですがお花たちは確実に咲き出してきています。特にチングルマは小さいながらも群生を作りながら広がってきています。今週末の連休はピークになる可能性があります。
黒岳登山道の消雪は旭岳に比べると遅く7月上旬の終わりころになります。
急斜面なため滑りやすく特に下山時は注意が必要です。登山靴、スパッツ、ストックは必須です。
雪の消えている斜面にはウコンウツギ、チシマノキンバイソウ、ハクサンイチゲなどの高径草本、低木が多く見られ目を楽しませてくれます。
頂上からは旭岳、お鉢平、北鎮岳など表大雪の主だった山並みが一望できます。
頂上のお花畑ではエゾツツジが咲き始めました。身の丈に合わないくらい大輪の花を付け虫たちを誘っています。
花冠の外側に白長い毛が密生し淡い薄紫のイワブクロ
エゾノツガザクラ
雲ノ平はキバナシャクナゲが盛り、チングルマ、エゾコザクラはまだこれから。
第一花園大斜面に残る雪渓。長いトラバースが待ち受けている。
第二花園と奥の平の雪渓を越えるとコマクサ平。満開のコマクサとウスバキチョウが目を引きます。
コマクサ平でよく見かけるギンザンマシコ♂、色鮮やかな容姿は遠くからでも確認できます。
このルート最大の第三雪渓、登山道の一部が現れてきました。
雪面から立ち上がる冷気が汗ばんだ体を心地よく冷やしてくれます。
昨日から3個目のピーク。この先の小泉平のお花畑が楽しみです。
エゾタカネスミレと白雲岳、旭岳(中央奥)
チョウノスケソウ、イワウメ(今年は当たり年)
エゾオヤマノエンドウ
エゾタカネツメクサ
イワウメの群生は最大規模
見るからにがっしりとしたホソバウルップソウ
花の色が黄色から茶褐色に変わるレブンサイコ
ゴージャスな姿が目立つキバナシオガマ
小判を思わせる葉のチョウノスケソウ
花弁が10枚に見えるエゾイワツメクサ
小泉平のコマクサは花色が濃い朱色に近いものが多い
昨年、新築された白雲岳避難小屋
テン場は雪解けが遅かったためまだ半分が泥んこ状態でした。
久々のテント泊
早朝の高根ヶ原越しのトムラウシ山
小高い丘の上に建つ白雲小屋と高根ヶ原、トムラウシ山、十勝連峰
白雲岳頂上からは何も見えず
外輪山の内側にはキバナシャクナゲが群生
北海平から見る旭岳(中央奥)
烏帽子岳
強風の北海岳、左 北鎮岳
お鉢平と北鎮岳
黒岳(右)、桂月岳、凌雲岳
北海沢左岸にできる大雪壁
赤石沢徒渉現場。両岸には雪斬りスコップが常備
十勝岳温泉公共駐車場は朝早くから富良野岳、上ホロカメットク山方面への登山者の車で満車状態。久々の賑わいを見せていました。
薄曇りながら青空も見えまずまずまずのお天気
D尾根からは八ツ手岩、上ホロカメットク山の荒々しい山容とピラミダルな山頂の十勝岳が一望
上富良野岳から上ホロカメットク山、十勝岳
南には三峰山、富良野岳と緑に覆われた山容が目を引きます。
カミホロ山頂の東側を巻いて上ホロ避難小屋へ。途中のお花畑ではチングルマ、キバナシャクナゲが群生
雪田跡には赤紫のエゾコザクラが群生、ここは十勝川の源頭にあたる。
避難小屋の裏手には数張り程度張れる野営場があります。水場は右下方の雪渓
3年前、4月の残雪期に上富良野岳手前で視界不良で引き返し、今回は上富良野岳と上ホロカメットク山の両ピークを踏みました。